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知っていますか?ビートパルプの飼料価値

  • 2015-10-20 (火) 18:31

~ビートパルプとは?~

てん菜の根部から温水を用いて砂糖を抽出した残さがビートパルプです。
生パルプとそれを乾燥させて成型した乾燥パルプの2種類がありますが、国内で製造、販売されているのは乾燥パルプがほとんどです。家畜の嗜好性が良いという特徴があり、主に乳牛の飼料として利用されています。
ビートパルプは可消化養分総量(TDN)が高いことからエネルギー飼料の性質の一面を持つことが知られています。
表2でトウモロコシ、ビートパルプ、輸入乾草チモシーの化学組成を比較してみましょう。

TDNは、いわば飼料の栄養価の指標のことで、ビートパルプはトウモロコシに比べて低く、チモシーに比べて高くなっています。また中性デタージェント繊維(NDF)は中性の界面活性剤を用いて処理することで得られる繊維で、ビートパルプはトウモロコシに比べて高く、チモシーに比べて低くなっています。このことから、ビートパルプが粗飼料と配合飼料などのデンプン質飼料の中間的性質を持つ飼料であることがわかります。
NDFは細胞壁物質の区分で、セルロース、ヘミセルロース、リグニンが含まれます。総繊維(OCW)は酵素分析法により得られる細胞壁物質の区分でセルロース、ヘミセルロース、リグニンに加え、ペクチンが含まれます。つまり、OCWからNDFを引いた残りが☆ペクチンです。
おわかりのように、チモシーに比べてビートパルプのNDF値とOCW値の差が大きい理由は、消化性の高い繊維成分であるペクチンが多く含まれているためです。(☆一胃内で主に酢酸発酵を行い、糖やデンプンよりも消化速度が緩やか)
       
~国産ビートパルプと外国産ビートパルプの違いについて~
 
現在日本では、国産のビートパルプ以外にアメリカ、チリ、中国などの外国産のビートパルプも流通しています。
表3に国産ビートパルプと外国産(アメリカ、中国)ビートパルプの消化率と栄養価について示しました。国産ビートパルプは乾物、粗蛋白質、中性デタージェント繊維の全ての消化率がアメリカ産、中国産ビートパルプより高く、可消化養分総量の栄養価も国産のビートパルプの方が優れていると言えます。


   

引用文献
 1)日本飼料標準2009年版、一般成分組成、消化率、栄養価
 2)農林水産省 :作物統計
 3)津田恒之ら(1990)、新乳牛の科学
 4)田中勝三郎ら(1995)、ビートパルプの反芻家畜飼料資源としての利用に関 する研究、北畜会報 

~この記事はDairy Japan 2015年9月号に掲載されています~

(生産支援室 獣医師 前谷)

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