初乳や初乳製剤を活用して子牛の下痢を減らそう

質の良い初乳が多く搾れた時、冷凍してストックしておく酪農家さんは多いのではないでしょうか?今回は、余剰初乳や初乳製剤を出生直後だけではなく、14日齢まで給与して子牛の健康状態を改善した事例をご紹介します。

「14日間の初乳製剤添加が哺乳期子牛の健康状態に及ぼす効果」(A. C. B. Bergeら:J. Dairy Sci2009, 92, 286-295)

1-3日齢の子牛273頭に給与する代用乳に14日間初乳製剤を添加して、1ヶ月齢までの子牛の健康状態を調べました。

~哺乳方法(1日2回)~
・対照区(UC)         :代用乳1.89Lのみ
・プラセボ区(PS)      :代用乳1.89L+初乳製剤と同等の栄養成分の粉末70g/240mlをお湯に溶かして給与(IgGなし)
・初乳製剤添加区(CS):代用乳1.89L+初乳製剤70g/240mlをお湯に溶かして給与(IgG10g含有)

その結果、初乳製剤添加区で下痢発生日数と治療日数が少なくなり、また1ヶ月齢時のスターター日摂取量が多くなりました(図1)。出生直後だけではなく哺乳期前半においても、IgGの給与は子牛の健康状態を改善することが分かります。